PRP療法
当院の再生医療
- 再生医療とは
-
当院は、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律(以下、再生医療法)」の規定に則り、「再生医療等提供計画」を関東信越厚生局へ提出・受理され厚生労働省のホームページの「再生医療等提供医療機関の一覧(第二種・治療)」に掲載されています。
再生医療は、日本国内において、再生医療新法によって厳格に規制・管理されており、
①安全性が担保された方法で、②届出が受理された施設、③登録された医師に限り、実施することができます。計画名:多血小板血漿を用いた整形外科領域における変形性関節症治療
計画番号: PB3220068計画名 :多血小板血漿を用いた整形外科領域における軟部組織治療
計画番号: PB3220090なお、PRP療法は、保険適用外(自費診療)です。そのため、費用は全額自費負担となりますのでご了承ください。
PRP(Platelet Rich Plasma)療法
- PRP療法は、傷んだ組織の修復や関節炎の症状軽減を促進する効果が期待されます。
- PRP(Platelet Rich Plasma)療法=多血小板血漿療法は、患者様ご自身の血液から抽出した「多血小板血漿(PRP)」を、実施部位に注射する再生医療です。
PRP(多血小板血漿)療法は、その名の通り、血小板が豊富に含まれた成分を用いた治療法で、 血小板の機能を活用した再生医療です。血小板には、血管が損傷したとき、固まって出血を止める働きがあり種々の成長因子を放出する働きもあります 。PRP療法には、血小板から放出される成長因子等の成分により、傷んだ組織の修復や関節炎の症状軽減を促進する効果が期待されます。
PRP療法の種類
当院ではLR-PRP/ LP-PRP/ PFC-FDの3種類のPRP療法を行っています。
- LR-PRP/ LP-PRP
- PEAK® systemを用いて遠心分離によって抽出するLR-PRP(高白血球血漿PRPLeukocyte Rich-PRP)と、Arthrex ACPTM Double Syringe PRP(小白血球多血小板血漿LP-PRP(Leukocyte Poor-PRP)を用いた従来のPRPを行っています。
PEAK® system (LR-PRP)はArthrex ACPTM Double Syringe PRP(LP-PRP)と比べ白血球と成長因子が多くなっており炎症抑制効果と疼痛抑制期間が長く、治療効果が高いことが期待されます。
LR-PRP,LP-PRP共に、採血した当日に投与を受けられます。 - PFC-FD™
- PFC-FD™は自己血液からこのPRPから成長因子を取り出して凍結乾燥(フリーズドライ)したものです。
血小板に含まれる成長因子には、PDGF、FGF、EGF、VEGF、TGF-βなどがあり、これらの成長因子を注射することで、体内(患部)で組織治癒や炎症抑制に寄与することが期待されています。
正式には「PFC-FD:Platelet Factor Concentrate Freeze Dry (血小板由来因子濃縮物)」といい、通常のPRPに比べて約2倍の成長因子(PDGF・TGF-β・VEGF・EGF・FGF・HGF・IGF-1)を含んでおり、無細胞化しているため、注射後の疼痛が少ないです。
ただし、採血後フリーズドライに加工するため、生成するのに3週間かかります。メリットとしては1度の採血で2回分使用できるPRPFDを生成できます。
PRP療法(PRP-FD療法)の適応疾患
- PRP療法の適応疾患
-
整形外科においては変形性膝関節症(中年から高齢者の膝の痛み)・関節炎などの一般的な疾病や、スポーツによる腱炎や靭帯損傷(野球肘・野球肩・アキレス腱炎など) や肉離れなどに対してPRP療法を行います。
リハビリを長期間行っても効果がなかった場合など一般的な標準療法を行っても効果が乏しかった場合に第3の選択肢としての治療法として行われるようになってきました。具体的な疾病
- 変形性膝関節症
- 上腕外側上顆炎(テニス肘)
- 野球肘、野球肩
- ジャンパー膝(膝蓋腱炎)
- アキレス腱炎、足底腱膜炎
- 肉離れなどの筋挫傷・筋損傷
- 捻挫・靭帯損傷
PRP療法・PRP-FD™療法のメリット・デメリット
- 治療のメリット
- この療法は自分自身の血液を利用して組織の再生を促す治療法のため、感染症やアレルギー反応等がなく、繰り返し治療を受けることができ、安全性が高い。
- 施術の際にメスを使用しないので、身体への負担が少なく、治療後から普段の生活が可能。
- 何度でも受けることができる。
- 関節、筋、腱、骨など、大半の部位に適用可能
- 日帰りでの治療が可能。
- 治療のデメリット
効果に個人差がある
効果を感じられる方とそうではない方がおられます。
効果が現れるまでの期間や効果が続く期間にも個人差がございます。実施後の数日間、痛みや腫れ・熱感・発赤などを伴うことがある
ただし、これらの症状は一過性で数日かかる場合もありますが徐々に改善していきます。症状の軽減には患部を冷やすこと(アイシング)が有効です。
- 適応除外項目
-
お体の状態によっては、PRP療法を実施できない場合があります。心当たりのある項目をチェックしてみましょう。
- がんと診断を受けたことがある
- 抗がん剤、生物学的製剤または免疫抑制剤を使用している
- 患部に細菌感染を伴っている
- 心疾患、肺疾患、肝疾患、腎疾患、出血傾向、血液疾患、コントロール不良な糖尿病および高血圧症等を有する
- 剤過敏症の既往歴がある
- 血液感染症を患っている
- 血液検査の結果、血小板数の異常がある
- ステロイド剤を服用している
診療予約について
下記のお電話にてご予約をお願いいたします。
費用について
- PRP治療は保険診療の対応外となっておりますので自費診療となります。
LR-PRP/ LP-PRPの治療の流れ
- 診察(初回)
- 再生医療申込書により受付を致します。
問診、検査(血液、尿、MRI等の画像)、病歴等を確認し、治療部位の治療前評価を行います。
同意書を発行しますので、ご記入のうえ治療当日にご持参下さい。
- 治療当日
- まず治療内容を説明致します。同意書をご提出ください。
PRP作製のため血液を採取します。採取した血液を、人への治療に使用することが認められた医療機器である本治療専用の遠心分離機と専用キットを用いて遠心しPRPを精製抽出します。その後、PRPを注入していきます。
血液採取後、投与までの間、患者様は待合室にてお待ちください。
※採血量は関節部位により選択致します。
※PRP投与後、約30分院内で安静にして頂いた後、ご帰宅となります。
※治療当日の激しい運動や飲酒、マッサージなど治療部位に刺激が加わるようなことはお控えください。また、治療部位の感染を防ぐため、当日の入浴はお控えください。 - 治療後1カ月、3カ月、6カ月のフォローアップ
- 問診、経過時点の評価等を行います。
※治療部位の改善状況の把握並びに厚生労働省への定期報告が必要となりますのでご協力をお願い致します。
PFC-FD™療法の治療の流れ
- 問診・診察・検査
- 外来にて問診・診察を行い、現在の症状に対してPRP-FD™(PFC-FD™)療法が適切かどうか判断します。
- 採血
- 治療方法やスケジュールにご同意いただけましたら、患者様自身の血液を50mlほど採血します。
採取した血液は厚生労働省の認可を受けている細胞加工センターへ送られます。 - 生成・分離
- 採血した血液をチェックし、問題がなければPRPを生成していきます。(約3週間かかります)
- 治療・施術
- PRPを患部に注入していきます。
生成したPFC-FDを注射器により関節に注入します。当日お帰り頂けます。
※注射当日の入浴はお控えください。
再生治療をお考えの方へ
リハビリ等で通院中の方は、理学療法士又は医師にご相談下さい。
診察で当院へいらっしゃる方は、医師の診察を受けて頂き、治療が適応になるか判断させていただきます。