診療内容小児整形外科(小児スポーツ障害)

肘内障
症状は、子供が手を引っ張られた後などに、痛がって腕を下げたままで動かさなくなります。バンザイや肘を自力で曲げることができなくなります。

原因としては、肘の靱帯(輪状靭帯)が肘の外側の骨(橈骨頭)からはずれかかることによって起こります。多くは、5歳以下の子供にみられます。

治療に関しては、徒手整復を行います。整復されると数十分から1日程度で痛みは治まり、徐々に普段通り腕や手を動かすようになります。整復の後はいつもと同じように腕や手を動かしてかまいません。ただ、手を引っ張られることによって繰り返すこともあるので、注意してください。万が一、もう一方の肘よりも明らかに腫れが出てきた場合は骨折などの可能性がありますので整形外科を受診してください。
単純性股関節炎
単純性股関節炎とは、子どもの股関節痛をきたすよくある疾患です。
小児期のお子さまが、急に股関節や脚に痛みを感じていたら当院にご相談ください。
単純性股関節炎は、小児の股関節痛の中でもっとも頻度が高い疾患です。発症年齢はほとんどが3~10歳(平均5~7歳)で、男の子に多く見られます。整形外科外来では、日常よく見られる疾患でそれほどめずらしいものではありません。

原因は、激しい運動・ウイルス感染・アレルギー等が推測されていますが、はっきりとは分かっていません。誘因がはっきりしないことも多いです。

通常1~2週間程度の安静にて治癒しますが、場合によっては1ヵ月近く長引くこともあります。症状が続く場合ペルテス病・化膿性股関節炎との鑑別の為精査が必要となります。
痛みが強い場合、自宅での安静が難しい場合や、なかなか治らない場合は、入院しての安静または下肢の牽引で安静をはかることがあります。
ペルテス病
股関節はボールのような大腿骨頭とソケットのような臼蓋からなる関節ですが、小児期の大腿骨頭(太ももの骨の上端)の骨端部に栄養を与えている血行がなんらかの理由により途絶え(血流障害で虚血状態になり)、骨が壊死(阻血性壊死:血流が途絶えて組織が死んでしまうこと)し、つぶれて変形してしまう病気です。

大腿骨頭に栄養を送る血液の流れが何らかの原因によって悪くなるために生じます。
骨頭の血行障害は外傷や股関節の手術や股関節脱臼の治療過程においても生ずることがありますが、ペルテス病には主にそのような明確なきっかけなく生じるところが一つの特徴です。

症状は、股関節から膝にかけての痛みと跛行(足をひきずって歩くこと)です。特に年少児では痛みを訴えずに、足をひきずるだけのこともあります。発症初期は歩けないような強い痛みを訴えることは少なく,病気が始まったとは感じません。また,発症が幼児や学童期の低年齢ということもあり,うまく症状を伝えられないことから病気の発見が遅れることがあります。

症状には個人差があり、最終成績を予測することは専門医でも難しいと言われますが、重症度(壊死範囲が大きさ)、骨頭の変形の有無、発症年齢(年長ほど良くない)、病気が発症してからどの時期から治療を始めたか、本人の性格、取り巻く環境などを総合的に考慮して、「保存的治療(装具療法)」や「手術療法」など,適切な方法を選択する必要があります。装具療法と手術療法のいずれにも長所と短所があります。いずれも原理は同じですが、年齢が高くなると保存療法は難しくなります。また、手術は専門家でないと技術的に難しく、角度の設定など細かい操作には熟練を要することなどからどこの医療機関でも出来るわけではありません。
大腿骨頭すべり症
大腿骨頭すべり症とは、大腿骨頭が、成長軟骨板のところで、半球形の大腿骨頭の上の部分が後ろにすべってずれてしまう病気です。
大腿骨頭すべり症は通常、青年期早期に発生し、特に男児によくみられます。肥満が主要な危険因子です。片側の股関節に大腿骨頭すべり症が発生すると、もう片方の股関節にも発症することが多いことが知られています。

症状は、股関節のこわばりや軽度の痛みであることが多いです。1割くらいの方は膝や太ももが痛いように感じられることがあります。太ももや膝が痛い場合はそこを調べても異常がないため長い間診断がつかない場合があります。痛みは安静にすると軽くなり、歩いたり股関節を動かしたりすると悪化します。すべりの程度が進行するとやがて脚を引きずるようになります(跛行)。
進行すると、発症した側の股関節を動かす際の痛み(屈曲,外転,および内旋の制限を伴う)を生じ、脚は通常外向きにねじれます(股関節外旋)。

治療に関しては、基本的に保存療法の適応がなく、通常は早めに何らかの手術が必要になります。
オスグッド病(Osgood-Schlatter病)
脛骨粗面(膝のお皿の下)の部分が突出してきて痛みと腫れが生じる疾患です。未成熟で力学的に弱い脛骨粗面への繰り返す大腿四頭筋の牽引力が原因で発症します。成長期に積極的にスポーツをしている小学生高学年から中学生(男児は10~14歳、女児は8~12歳)に発症しやすいのが特徴です。約3割は両側性に発症します。

症状は、お皿の下の骨(脛骨結節)が徐々に突出してきて、痛みや腫れ・熱を持ちます。

急性期には、各種ストレッチなどリハビリ+4~6週間の安静してください。
亜急性期/慢性期には、注射します。(2~4週間に1回、ジャンプなどの痛みがほぼ消失するまで繰り返し行います。)
注射しても疼痛を繰り返す場合には、遺残骨片を摘出する手術が行われることもあります。
骨端症
骨端症とは「骨端線が痛くなる子供の病気」です。中学生くらいになると成長が止まり骨端線も消失しますが、それまでの間に骨端線の部分へ負荷や機械的な刺激が加わることで骨端症を発症し、痛みや成長障害を引き起こします。

激しい運動の後や、朝起きた時などに踵の後方にジーンとするような痛みを生じます。初めは運動時の軽い痛みだけですが、悪化すると次第に痛みのために踵を地面につけられず、つま先立ちで歩く(尖足歩行)ようになります。さらに進行すると、安静にしているときでも痛むようになります。

主な原因がスポーツのやりすぎによるオーバユースなので、まずは安静とし、過激な運動は中止して踵に負担がかからないようにして経過をみていきます。痛みが強く続く場合には、歩行を免荷(踵に体重をかけない)にするため、松葉杖を使います。扁平足やクッション性の悪い靴などの要因がある場合は靴のインソール(足底挿板:靴の中敷き)やアーチサポートを使用します。
経過は1~数年と長いことが多いですが、予後(治ったあとの状態)は後遺症を残さず一般に良好です。
成長痛
「成長痛」は、“幼児から思春期の成長期に起こる子どもの足(下肢)の「特有の症状や特徴をもつ痛み」の総称(呼び名)”として、広く使われています。
病名と言うより、幼児期の繰り返す下肢の痛みで、特に骨や関節の治療すべき病気を認めない場合の症状の呼び方と思ってください。

症状は、夕方~夜(寝ている間)や朝方に痛みを訴える、ずっと痛いわけではなく、週2回~月1回程度の不定期に痛む等の状態が2週間~1か月ほど続いている場合は、成長痛が考えられます。

特別な治療はありません。大事なことは、成長痛は仮病でなく、痛いものだと理解することです。一般的に愛護的な対応が効果ある場合が多いようです。優しくさすってあげる、湿布を貼ってあげる、温めてあげる、冷やしてあげる、幼児であれば抱っこしてあげるなどお子さまが安心する、気持ちよく感じる事をしてあげてください。
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