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慢性障害と急性外傷の違い、対処方法

2024.1.31

■慢性と急性ってよく聞くけど、どうちがうの?■

 

こんにちは。SOL整形外科の内田です。

このコラムでは、患者さんやそのご家族から寄せられる質問に、整形外科医の視点でお答えしています。

今回のご質問は慢性障害と急性外傷の違いについて。

みなさんも疑問に思われたことはありますか?

Q&Aをぜひご覧ください。

 

質問:

子どもがサッカーの最中によく怪我をします。怪我の中には慢性のものと急性のものがあると聞いたことがあるのですが、それはどういうことでしょうか。それぞれの対処方法も違いますか。

回答:

子どもたちは成長とともにどんどん活発に動くようになりますね。お子さんはサッカーをされているとのこと、お子さんがフィールドを駆け回る姿は、親御さんにとっては喜びでありながら、同時に怪我のリスクも増えることが心配事となることもあるでしょう。今回は、整形外科医としての視点から「怪我」とは何か、また慢性障害と急性外傷の違いについてお伝えしたいと思います。

1.「怪我」とは

「怪我」という言葉は広く使われている一般用語です。専門的には身体の組織が何らかの外的な要因で損傷を受けることを指します。これには、皮膚の切り傷や打撲、筋肉や靭帯の損傷、骨折などが含まれます。

2.急性外傷とは

急性外傷は、急な出来事やアクシデントによって生じる怪我を指します。例えば、スポーツ中に転んで手首を骨折したり、ボールが当たって目の周囲を打撲するなどがこれにあたります。急性外傷は、直後に痛みや腫れなどの症状が現れることが多く、早めの治療が必要となります。

3.慢性障害とは

一方、慢性障害は、継続的に負荷がかかった場合や使い過ぎ、悪い姿勢などが原因でじわじわと症状が悪化していくものを指します。スポーツを継続的に行っている子供では、特定の部位に過度なストレスがかかり続けることで、疼痛や機能の低下が見られることがあります。例としては、成長期の子供によく見られる「成長痛」や「腱鞘炎」、「ジャンパー膝」などが挙げられます。

4.それぞれのアプローチ

急性外傷の場合、すぐに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。一方、慢性障害の場合は、その原因を特定し、運動のフォームや生活習慣、頻度や強度を含む運動習慣を見直すことが重要となります。

5.親御さんができる対処法

●急性外傷:受傷の直後は冷静に状況を把握し、もしお子さんが自分の意志で身体を動かすことができないようなことがあれば、すぐに救急車を呼ぶなどの対応をとってください。また、患部が動かないように一旦固定することで、痛みの増悪(ぞうあく)やさらなる損傷を防ぐことができます。痛みのある部分は可能な限り動かさず、体重をかけたりしないようにしましょう。また、アイシングは痛みを軽減させるために役立つと言われています。痛みがひどいようならアイシングしましょう。

●慢性障害:子どもの慢性的な疼痛や不調には、日常の動きやスポーツのフォーム、靴の選び方など、さまざまな要因が関係していることが多いです。原因を特定し、継続的なケアやリハビリが必要となることもあります。まずは整形外科を受診し、筋や骨、靭帯などに異常がないか確認しましょう。その後の対処は状況によって様々ですので、相談しましょう。

 

6.まとめ

子どもたちの健やかな成長のためには、怪我や身体の不調に対する正しい知識と対応が欠かせません。急性外傷と慢性障害は、その原因や対応が大きく異なります。どちらの場合も、まずは子どもの症状や訴えをしっかりと受け止め、必要であれば専門家の意見を求めることで、子どもたちを安心してサポートすることができます。変化に気がつくには日常の観察が大切です。日々、お子さんに身体の調子を聞くなど、コミュニケーションの一環として体調についての質問をすることで、少しずつお子さんの中にも身体をケアする気持ちが生まれてきます。親子の会話の中に、一言、身体の調子はどう?という言葉を入れてみませんか。

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