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新学期に子どもが運動部に入ったら

2024.4.15

■新学期に、運動部に入った子どもたちが注意すべきこと■

こんにちは。SOL整形外科の内田です。このコラムでは、患者さんやそのご家族から寄せられる質問に、整形外科医の視点でお答えしています。今回のご質問は、この春に運動部での活動をはじめたお子さんを持つ親御さんからいただきました。定期的な運動を始める際の注意事項をまとめましたので、ぜひご覧いただいて、楽しい部活動生活を送ることができるようにサポートしてあげて欲しいと思います。

理事長　内田

 

質問：

子どもが中学に入り、陸上部に入部しました。平日は毎日練習があり、疲れや怪我が心配です。何か工夫できることはありますか。

回答：

ご質問ありがとうございます。お子さんが運動部に入って活動をはじめられたのですね。中学生にとって、運動量確保はとても大事なことですが、確かに疲れや怪我も心配ですね。この新しいスタートを健康的に、そして怪我なく進めるために、整形外科医として、以下の3つの工夫を心がけることをお勧めしたいと思います。

 

1.身体の準備を整える

a.段階的なトレーニング

運動部に入部する前と入部後で、体にかかる負担は大きく変わります。突然の運動量の増加は、身体を疲労させ、怪我のリスクを高めます。そのため、まずは徐々に体を動かし始め、運動に対する耐性をつけることが重要です。いきなり激しい活動をはじめているようなら、お子さんの疲労に注意を向けてあげてください。はじめは無理をしないことが大切だということも伝えましょう。

b.ウォームアップとクールダウン

運動前のウォームアップは、筋を緩やかに活性化させ、怪我を防ぐ効果があります。運動後のクールダウンは、筋肉の緊張を和らげ、次のトレーニングへの回復を早めます。これらは毎回の練習で欠かさず行い、怪我の予防と身体のケアを心がけましょう。

 

2.適切な栄養摂取と水分補給

a.バランスの良い食事

成長期の子どもたちにとって、適切な栄養摂取は非常に重要です。特に、運動をする子どもたちは、普段よりも多くのエネルギーと栄養を必要とします。タンパク質、炭水化物、脂質のバランスに加え、ビタミンやミネラルが豊富な食事を心がけましょう。また、鉄分やカルシウムなど、特定の栄養素を意識的に摂取することも大切です。

b.十分な水分補給

運動中の脱水はパフォーマンスの低下だけでなく、熱中症のリスクを高めます。そのため、練習前後だけでなく、練習中も定期的に水分補給を行うことが重要です。特に暑い日や激しい運動をした日は、水分補給にさらに注意を払いましょう。

 

3.十分な休息と睡眠

a.休息の確保

多くの運動部では、学業との両立が求められるため、子どもたちの身体的・精神的な負担が大きくなりがちです。適切な休息を取ることで、疲労回復を促し、怪我のリスクを減らします。週に1日は完全な休養日を設ける、練習後はリラックスする時間を持つなど、休息を大切にしましょう。

b.質の良い睡眠

成長ホルモンの分泌や身体の回復は、質の良い睡眠中に最も活発に行われます。十分な睡眠を確保することは、スポーツパフォーマンスの向上だけでなく、怪我の予防にもつながります。特に、深夜までの勉強やスマートフォンの使用は避け、規則正しい睡眠習慣を身につけることができるよう、サポートしてあげたいですね。

 

最後に、これらの工夫を実行するには、お子さん自身だけでなく、親御さんやコーチの理解や協力も大切になります。上記に挙げた項目は子どもたちの健康と成長を支える基盤とも言えると思います。ぜひ、日々心掛けてみてください。

 

 

SOL整形外科スポーツクリニック

理事長 内田繕博